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「くじら」🐳 詞 高部久理子 / 曲 岩崎けんいち

 

私の中には大きな大きなくじらがいます

私の中をたゆたゆと泳いでいるのです

故郷を離れてひとり

此処に来ることになった時

故郷の海から 一頭

くじらを連れて来たのです

くじらはいつも私の中を

ゆったりと泳いでいるのです

私の父や母、妹や家族や

故郷の友や、海や川や山や風

私を育んで来たものすべてを

あなたは知っている

私の中には大きな大きなくじらがいます

私の中をたゆたゆと泳いでいるのです

 

夕方に散歩 

美しい夕焼けに出くわしたりすると

私の彼の体から夕焼け空へと悠々と

泳いで行きます

そしてオレンジ色に

熟れきった太陽が

ぽとり、、と

山の向こうに落ちると

くじらは一回潮を吹き

私の中に戻って来る

 

くじら

あなたが私の中で

私と共にいてくれる時

私はなんとも言えない

安心感に包まれて

料理をしたり

本を読んだり

飲み物を口にしたり出来るのです

だからどうかあなただけは

私の中にいてください

くじら

あなたが大きな尾びれで

私の中の細胞を

震わせながら泳ぐ時

私は満ち足りた幸福感に

包まれるのです

私が年老いて

ついに

自分の足では歩けなくなり

故郷の海をもう二度と

見ることが出来なくなっても

あなたが私の中で

変わらずゆったりと

泳いでいてさえくれれば

何も怖くない

この新たな場所で生きていくことを

選んだ私

 

私の父や母

妹や家族や

故郷の友

海や川や山や風

私を育んで来たものすべてを

あなたたは知ってる

どうか いつまでもあなただけは

私と共にいてください

たゆたゆと私の中を

泳いでいてください

私の中には

大きな大きな

くじらがいます

私の中を

たゆたゆと

泳いでいるのです

🐳

「くじら」は高知県出身の高部久理子さんの詩です

歌にするにあたり 言葉を岩崎けんいちが歌詞にしました

高部久理子さんのくじら全編詩も機会を作りますので見てください

そして 高部久理子さんの声で詩を楽しんでください

僕は初めて聞いたときのこと、そして僕が四国お遍路をした時に見ていた高知の海を思い浮かべて歌にしました、まだまだ歌い込まないとなりませんが 久理子さんに早く聞いて欲しくて初めて歌った時のものを録音したので聞いてみてください

家の前でiPadで録画録音しました、車やバイクの通る音も聞こえます、一番最後に車が通りすぎる音が入っていますが 丁度終わったタイミングと重なって まるで波の音やくじらが尾びれで水面を叩くような音にも聞こえて来ます

故郷の高知からくじらを一頭 久理子さんは山梨に連れて来たのです

新しいギターで歌いました

新曲が沢山出来ていきそうな予感がしています

くじらの詩に導かれるように歌が生まれました

嬉しいです

高部久理子さん 素敵な詩をありがとう

 

2019.11.1 岩崎けんいち